
まずは10秒チェック!水分と油分のバランスは?
さっそくですが、あなたの肌バランスを今ここでチェック。
次の項目に当てはまるか確認してみましょう。
□ 洗顔後につっぱり感がある
□ 頬や口元は乾くのに、額や鼻はテカる
□ 保湿しているのに夕方になると乾燥を感じる
□ ファンデーションが毛穴落ちしやすい
□ 冷房の効いた室内にいる時間が長い
□ ベタつくので乳液や美容液を省くことがある
□ 肌がごわついたり、キメの乱れが気になる
複数当てはまる場合、水分と油分のバランスが乱れている可能性があります。
セルフチェックだけで肌状態のすべてを判断することはできませんが、「ベタつくから保湿は不要」と考える前に、水分不足が隠れていないか見直してみることも大切です。
大人の肌は矛盾がいっぱい
テカリやベタつきは化粧崩れの原因になり、毛穴悩みとも結びつけて考えられることが少なくありません。そのため、「皮脂はできるだけ抑えたほうがよい」と考えている人もいるのではないでしょうか。
しかし実は、皮脂は肌にとって欠かせない天然のうるおい成分のひとつです。汗とともに肌表面を覆い、水分の蒸発や外部刺激から守る役割を担っています。
一方で、40代以降の肌では、水分量や皮脂量のバランスが少しずつ変化します。その結果、本来は皮脂が減少傾向にあるにもかかわらず、「Tゾーンはベタつくのに頬は乾く」「保湿しているのに肌が満たされない」といった矛盾した状態を感じる人も少なくありません。
美容ジャーナリストとして皮膚科医や化粧品研究者を取材するなかでも、「皮脂の量と肌のうるおいは別」という話を耳にする機会が増えています。ベタついているから乾燥していない、とは限らない。むしろ、そのベタつきの裏で、肌はうるおい不足を訴えているのかもしれません。
今あらためて知っておきたい、大人の皮脂と保湿の関係について考えてみましょう。
「皮脂=悪者」ではありません
皮脂というと、どうしてもネガティブな印象を持たれがちです。
テカリや毛穴目立ち、メイク崩れなどの原因として語られることが多く、「できるだけ取り除きたいもの」と考えている人もいるでしょう。
しかし皮脂には、肌にとって大切な役割があります。
皮脂は汗と混ざり合い、肌表面に「皮脂膜」と呼ばれる薄い膜をつくります。この皮脂膜は、肌内部の水分蒸発を抑えながら、乾燥や外部刺激から肌を守るバリアの一部として機能しています。
実際に女性の肌は加齢とともに皮脂分泌量が減少することが知られています。特に40代以降はホルモンバランスの変化も重なり、肌の水分と油分のバランスが変化しやすくなります。
つまり、大人の肌にとって皮脂は単なる「余分なもの」ではなく、健やかな肌環境を支える存在でもあるのです。
でも、ベタつき=うるおいではありません

ここで誤解しやすいのが、「皮脂がある=うるおっている」という考え方です。
肌のうるおいは、大きく分けて「水分」と「油分」のバランスによって保たれています。
たとえば、肌内部の水分が不足していても、肌表面には皮脂が残っていることがあります。すると触ったときにはベタついて感じるため、「乾燥していない」と思いがちです。
しかし実際には、角層の水分量が不足しているケースも少なくありません。
この状態は一般的に「インナードライ」と呼ばれています。
インナードライは、肌表面はベタついているのに、角層は乾燥している状態。紫外線や乾燥、洗いすぎなどによって角層のうるおい環境が乱れることで起こりやすいと考えられています。
40代以降はもともとの水分保持力や皮脂量の変化も加わるため、「乾燥しているのにテカる」「保湿しているのに満たされない」と感じることが増えるのです。
夏の肌は、実は乾燥しやすい
「夏は湿度が高いから乾燥しない」
そう思っている人は少なくありません。
しかし近年の夏は、強い紫外線、猛暑による発汗、長時間の冷房環境など、肌のうるおいを奪う要因にあふれています。
とくに紫外線は、日焼けによるシミの原因となるだけでなく、肌の乾燥にも関係することが知られています。また、エアコンによって室内の空気が乾燥すると、肌の水分蒸散も起こりやすくなります。
さらに汗をかくと肌はしっとりしているように感じますが、汗そのものが長時間うるおいを保つわけではありません。
そのため夏は、「ベタつくのに乾燥する」というインナードライ状態に気づきにくい季節でもあります。
実際、皮膚科医や研究者への取材でも、「夏こそ保湿が大切」という声を耳にする機会が増えています。
大人の肌に必要なのは、皮脂を取り除くことではなく、水分と油分のバランスを整えることなのです。
今必要なのは「攻める保湿」と「守る保湿」

保湿というと、美容液、クリーム、オイルなどの油分をたっぷり与える=攻めることをイメージする人もいるかもしれません。しかし大人肌にとってもうひとつ重要なのは、まず角層に十分な水分を補って土台をつくる=守ることです。
スキンケアの基本として意識したいのは、
①化粧水で角層まで水分の土台をかためる
②乳液や美容液による肌状態に応じたケアでうるおいを引き出す
③日中用美容液やクリームでうるおいを保つ
という流れです。
とくに40代以降の肌では、「攻める保湿」と「守る保湿」の両方が重要になります。
サッカーやバスケットボールなどのチーム戦でも、攻めと守りの両立は勝利をつかむためのカギとなります。どちらか一方ではチームは崩れてしまいますよね。これは「チーム肌」でも同じことです。
保湿は、未来の肌への投資
近年の皮膚科学研究では、角層のうるおい環境を保つことが健やかな肌状態につながることが広く知られるようになっています。
うるおいが保たれた健やかな肌=水分と油分のバランスがよいこと。
40代からの肌に必要なのは、水分と油分のバランスをよい状態に導くこと。皮脂を必要以上に敵視して「ベタつきをなくすこと」ではなく、「水分を補い、そのうるおいを守ること」。ベタつきをうるおいと勘違いせず、攻めと守りを意識するとキメが整い、乾燥によるくすみ*1やごわつきも感じにくくなります。
保湿は、単なる乾燥対策ではありません。毎日のスキンケアを通じて肌を健やかに保つための基本習慣なのです。その視点こそが、大人のエイジングケア*2の第一歩になるのではないでしょうか。
*1 乾燥によりキメが乱れて肌が暗く見える状態
*2 年齢に応じたうるおいケア
